捨てられた犬

今日、夕方のニュースで
ある女性の写真家のインタビュー
が放送されていた。
関西のローカルなニュース特集。

彼女はいくつもの保健所をまわり、
処分を待つだけの捨てられた犬
ばかりを撮っているそうだ。

どの犬もみな、生きることを
あきらめたようにどんよりとした
目をしている。あまりの痛々しさに
画面を正視できなかった。

「ブランド品を衝動買いするように
簡単に流行の犬を買ったり、買い与え
たりしないでほしい」

彼女の切実な思いがつたわってくる。

小さなペット屋さんに立ち寄ってみた
ことがあるけど、どうにもいい気分
がせず、すぐに出てしまった。
なんとも複雑な心境だった。

そしてもうひとつ、そのニュースに
目を奪われたのには理由があった。
保健所で処分を待つだけという犬のうち、
バンダナを首にまいていた犬に見覚え
があったからだ。

先日、どこからか職場のおもちゃ屋に
迷い込んできた犬がそっくりだった。
飼い犬だと一目でわかる人懐っこさ。
クリクリとしたかわいい目。

もちろん店で飼うこともできず、
迷い犬として、警察に引き取ってもらった。
その後、どうなっただろうと
しばらくは気にしていたが、すっかり
忘れていた。こんな再会をしようとは。

人(犬)違いであってほしい・・・
でもあのバンダナは確かに・・・

ニュースの最後に、キャスターが一言。

「みなさんがご覧になった犬たちは、既に
もうこの世にはいません」

世の中には、どうしようもないことって
たくさんあるね。悲しいやね〜。