ロマンスノベル訳文完成か?!
2002年12月22日ようやく完成しました・・・。24日締め切りのコンテスト
どうなることかと思いましたが、ようやくこの日を迎える
ことが出来て、いや、大袈裟でもなくマジ嬉しいっっす。
今朝、大阪の中央郵便局に電話して、明日の投函であさって
必着が可能なことを確認して一安心・・。本当はあと2,3日
間を置いてから、もう一度訳文を見れば直したいところが
出てくるんだろうけど、もう時間がない。〜が〜した・・と、
〜は〜した・・。の違いで10分でも悩む世界。
"何がいつ何処でどうなった"の微妙な順番が、長い文になれ
ばなるほど大きく印象が変わってくる。変えても変えても
どうしてもピンと来ないときもある。悩みに悩んで変え
まくったあげく、完璧だぁぁぁ!と思ってふと見ると自分
が最初に書いた訳文と同じだったりすることもある。笑)
とにかく、こんなに長いフィクションを訳したのは初めて
なので、自己満足ながら、今日の日記はハ−レクイ−ン
ロマンスに浸ることとします・・・。話はロミオとジュリエット
みたいなもんかな・・。超長くてスミマセン・・m(_ _)m
--------------------------------------------
〜登場人物〜
サラ: 主人公の女性、ア−ミッシュという厳しい戒律を犯して、
マットという男性を愛し、それを罪だと言われる。
イサク: 頑固な父親で、サラとマットの中を引き裂きサラを家に
連れ戻してしまう。
アンナ: 母親、とてもおとなしい。
ジェイコブ: サラのとても幼い弟
『サラの罪』
「ラップ助祭様も親戚のいるオハイオへ行くことを勧めてらっしゃる」
イサクは静かに告げた。「そこで神に祈りを捧げじっくりと考えるがいい。
魂を清めてきなさい」 サラは悲しみに打ちひしがれた。
まるでマットを愛したことは病気か何かで、無菌室に少しの間入ってい
ればすっかり治ってしまうだろうと言われた気がした。イサクと
アンナ・モウスト、そしてサラの3人は、いつも母親が使っている
オーク材の丸テーブルについていた。残りの家族は一体なにが起こって
いるのかも、どうしてサラが戻ってきたのかも、何も知らされない
まま寝室へもどるように言われた。それでも今のこの状況がとうてい
喜ばしいものではないことは了解しているようだった。石油ランプに
灯された薄明かりのキッチンで、話し合いは重苦しい雰囲気に包まれていた。
「罪の告白は必要ないでしょ?」サラは心配を口にした。まるで
体じゅうから感覚が失われていくようだった。だがそのしびれは、
十月の風が吹きすさぶ寒空に、軽装馬車で家に連れ戻される間に
感じた凍えとは全く別のものだった。
「助祭様はミカ・ホーシュテットが話したことしか御存じない。
わたしには決して及びもつかん理由でお前に慈悲を与えてくださる
だろう。のぼせた頭を冷やす時間が必要だと考えておられるのだ。
それがいいだろう。これ以上まずいことが起こらんうちにお前をオハイオ
へやる。<<わたしの家族>>の名を汚すようなことは断じて許さん」
わたしの家族、その言葉はまるでサラがそのなかに含まれていないか、
既にイサクはサラを遠ざけようと決めてしまったかのようだった。
サラの心はひどく傷ついた。それでも表情には出すまいとした。
うわべだけを繕う父親にサラはただじっと軽蔑のまなざしを向けるのだった。
イサクにふしだらだの罪深い女だのと言われるのはいい、だけど他の
誰かに知られるのは何て耐え難いことだろう。だが、自分の罪を
知っているのが父親一人だからといって、この心の罪がたいしたこと
ではないと言えるだろうか。イサクは自分が神ほどに正しい人間だと
思っているのなら、さっさと私のことを司教様に報告すればよかった
のだ。彼は自分にさえ影響が降りかかってこなかったなら、サラが
破門されることに間違いなく大きな喜びを感じていただろう。
サラは母親に視線を移した。アンナ・モウスト。今回の件でも
彼女がイサクと議論を交わすことはないだろう、これまでもそうだった
ように。ふっくらとした体にまだつやのある金髪。イサクより
十歳も若い。アンナ・モウストはとても物静かで従順な妻だった。
心やさしいがお人よしすぎる面もあった。そしてこの落ち着きのない
長女の性分を彼女は驚きと畏敬の目でこれまでずっと見てきた。
アンナもサラの方に目を向けた。今その青い瞳は悲しみに包まれて
いた。「サラ、それが一番正しい選択なのですよ、<<すべては神の
みこころのままに・・・>>『エ・ヴァール・ゴタール・ウィレ』」
『すべては神のみこころのままに・・・』、アンナが言った
このドイツ語の文句は、これまでにも何度か聞いた言葉だった。
サラが赤んぼうを肺炎で亡くしたとき、サミュエルが死んだとき、
何かひどいことが起きるたびにアンナは その非難のすべてを神に
預けてしまうのだった。
「いいえ、違うわ」サラは静かにそう言って椅子から立ち上がった。
「すべてイサク・モウストの意思じゃない!」
サラはてっきりイサクが激怒すると思ったが、意外にも何も返って
こなかった。
「明日、バスのチケットを手配してやろう」それがイサクの答えだった。
サラはまるで聞こえなかったかのようにそれには応えなかった。
くるりと背をむけてキッチンから出るとニ階にある自分の小さな寝室へと
向かった。家にいるときはそこがサラの寝室となっていた。廊下の
途中にあるジェイコブの部屋の前でサラは足をとめた。ドアを開けて
様子を隙間からそっとうかがう。彼は眠ってはいたがしきりと寝苦し
そうに体を動かしていた。寝返りを打っては左右に体の向きを変え
小さくうめいたりしている。
「昨日、アップル・シュトルーデル(ドイツ菓子)をいやというほど
盗み食いしたせいなのよ」アンナがそう小声で言いながら娘の方へ
近づいてきて側らに立った。「今日は一日それで苦しそうにしてたの。
だけどキャスター・オイル(下剤)をうんと飲ませたからもう大丈夫よ。
明日の朝には良くなっているわ」
サラは改めて小さな弟をじっと見つめた。するとみぞおちのあたり
に言い知れぬ不安が突き上げてきた。ジェイコブの苦しそうな姿は
一番つらかった。急に恐くなってきた。もうあと数日もすれば
彼を置いて出て行かねばならないという思いがサラをますます
不安へと追いやった。
「さあサラ、今夜はもう休みなさいな」母親はそう言って部屋の
ドアを引いて閉めた。「今日は本当にいろんなことがありすぎたわ。
明日の朝、目が覚めればまた新しい光がきっと見つかるわ」
サラは母親の方をきっと見据えて言った。「わたしにはもう明日
なんて来ないわ」 アンナは沈黙した。いや少しの間、何かを考えて
いるようだった。「そんなに彼のことが好きだったのね?
あのイギリス人のことが」ついにアンナはそう言った。その声には
サラを思いやり心配する気持ちが感じられた。
「ええ、とても」
アンナは目を閉じてまるで何かを熱心に祈るかのように頭を下げた。
それからサラの両手を強く握り締めておやすみなさいとそっと告げた。
朝になってもジェイコブの具合はよくならなかった。アンナは彼を
暖かい衣類でくるんでやるとイサクとともにジェシーへと向かった。
町に着きイサクがバス発着所までの長い道のりにいよいよ出かけると、
アンナは子どもを診てもらうためコズウェー医師の所へ向かった。
彼はジェイコブの症状を診るなりここ数日流行っている流感だと
素っ気なく伝えると、もう帰ってもいいですよと言った。
どうなることかと思いましたが、ようやくこの日を迎える
ことが出来て、いや、大袈裟でもなくマジ嬉しいっっす。
今朝、大阪の中央郵便局に電話して、明日の投函であさって
必着が可能なことを確認して一安心・・。本当はあと2,3日
間を置いてから、もう一度訳文を見れば直したいところが
出てくるんだろうけど、もう時間がない。〜が〜した・・と、
〜は〜した・・。の違いで10分でも悩む世界。
"何がいつ何処でどうなった"の微妙な順番が、長い文になれ
ばなるほど大きく印象が変わってくる。変えても変えても
どうしてもピンと来ないときもある。悩みに悩んで変え
まくったあげく、完璧だぁぁぁ!と思ってふと見ると自分
が最初に書いた訳文と同じだったりすることもある。笑)
とにかく、こんなに長いフィクションを訳したのは初めて
なので、自己満足ながら、今日の日記はハ−レクイ−ン
ロマンスに浸ることとします・・・。話はロミオとジュリエット
みたいなもんかな・・。超長くてスミマセン・・m(_ _)m
--------------------------------------------
〜登場人物〜
サラ: 主人公の女性、ア−ミッシュという厳しい戒律を犯して、
マットという男性を愛し、それを罪だと言われる。
イサク: 頑固な父親で、サラとマットの中を引き裂きサラを家に
連れ戻してしまう。
アンナ: 母親、とてもおとなしい。
ジェイコブ: サラのとても幼い弟
『サラの罪』
「ラップ助祭様も親戚のいるオハイオへ行くことを勧めてらっしゃる」
イサクは静かに告げた。「そこで神に祈りを捧げじっくりと考えるがいい。
魂を清めてきなさい」 サラは悲しみに打ちひしがれた。
まるでマットを愛したことは病気か何かで、無菌室に少しの間入ってい
ればすっかり治ってしまうだろうと言われた気がした。イサクと
アンナ・モウスト、そしてサラの3人は、いつも母親が使っている
オーク材の丸テーブルについていた。残りの家族は一体なにが起こって
いるのかも、どうしてサラが戻ってきたのかも、何も知らされない
まま寝室へもどるように言われた。それでも今のこの状況がとうてい
喜ばしいものではないことは了解しているようだった。石油ランプに
灯された薄明かりのキッチンで、話し合いは重苦しい雰囲気に包まれていた。
「罪の告白は必要ないでしょ?」サラは心配を口にした。まるで
体じゅうから感覚が失われていくようだった。だがそのしびれは、
十月の風が吹きすさぶ寒空に、軽装馬車で家に連れ戻される間に
感じた凍えとは全く別のものだった。
「助祭様はミカ・ホーシュテットが話したことしか御存じない。
わたしには決して及びもつかん理由でお前に慈悲を与えてくださる
だろう。のぼせた頭を冷やす時間が必要だと考えておられるのだ。
それがいいだろう。これ以上まずいことが起こらんうちにお前をオハイオ
へやる。<<わたしの家族>>の名を汚すようなことは断じて許さん」
わたしの家族、その言葉はまるでサラがそのなかに含まれていないか、
既にイサクはサラを遠ざけようと決めてしまったかのようだった。
サラの心はひどく傷ついた。それでも表情には出すまいとした。
うわべだけを繕う父親にサラはただじっと軽蔑のまなざしを向けるのだった。
イサクにふしだらだの罪深い女だのと言われるのはいい、だけど他の
誰かに知られるのは何て耐え難いことだろう。だが、自分の罪を
知っているのが父親一人だからといって、この心の罪がたいしたこと
ではないと言えるだろうか。イサクは自分が神ほどに正しい人間だと
思っているのなら、さっさと私のことを司教様に報告すればよかった
のだ。彼は自分にさえ影響が降りかかってこなかったなら、サラが
破門されることに間違いなく大きな喜びを感じていただろう。
サラは母親に視線を移した。アンナ・モウスト。今回の件でも
彼女がイサクと議論を交わすことはないだろう、これまでもそうだった
ように。ふっくらとした体にまだつやのある金髪。イサクより
十歳も若い。アンナ・モウストはとても物静かで従順な妻だった。
心やさしいがお人よしすぎる面もあった。そしてこの落ち着きのない
長女の性分を彼女は驚きと畏敬の目でこれまでずっと見てきた。
アンナもサラの方に目を向けた。今その青い瞳は悲しみに包まれて
いた。「サラ、それが一番正しい選択なのですよ、<<すべては神の
みこころのままに・・・>>『エ・ヴァール・ゴタール・ウィレ』」
『すべては神のみこころのままに・・・』、アンナが言った
このドイツ語の文句は、これまでにも何度か聞いた言葉だった。
サラが赤んぼうを肺炎で亡くしたとき、サミュエルが死んだとき、
何かひどいことが起きるたびにアンナは その非難のすべてを神に
預けてしまうのだった。
「いいえ、違うわ」サラは静かにそう言って椅子から立ち上がった。
「すべてイサク・モウストの意思じゃない!」
サラはてっきりイサクが激怒すると思ったが、意外にも何も返って
こなかった。
「明日、バスのチケットを手配してやろう」それがイサクの答えだった。
サラはまるで聞こえなかったかのようにそれには応えなかった。
くるりと背をむけてキッチンから出るとニ階にある自分の小さな寝室へと
向かった。家にいるときはそこがサラの寝室となっていた。廊下の
途中にあるジェイコブの部屋の前でサラは足をとめた。ドアを開けて
様子を隙間からそっとうかがう。彼は眠ってはいたがしきりと寝苦し
そうに体を動かしていた。寝返りを打っては左右に体の向きを変え
小さくうめいたりしている。
「昨日、アップル・シュトルーデル(ドイツ菓子)をいやというほど
盗み食いしたせいなのよ」アンナがそう小声で言いながら娘の方へ
近づいてきて側らに立った。「今日は一日それで苦しそうにしてたの。
だけどキャスター・オイル(下剤)をうんと飲ませたからもう大丈夫よ。
明日の朝には良くなっているわ」
サラは改めて小さな弟をじっと見つめた。するとみぞおちのあたり
に言い知れぬ不安が突き上げてきた。ジェイコブの苦しそうな姿は
一番つらかった。急に恐くなってきた。もうあと数日もすれば
彼を置いて出て行かねばならないという思いがサラをますます
不安へと追いやった。
「さあサラ、今夜はもう休みなさいな」母親はそう言って部屋の
ドアを引いて閉めた。「今日は本当にいろんなことがありすぎたわ。
明日の朝、目が覚めればまた新しい光がきっと見つかるわ」
サラは母親の方をきっと見据えて言った。「わたしにはもう明日
なんて来ないわ」 アンナは沈黙した。いや少しの間、何かを考えて
いるようだった。「そんなに彼のことが好きだったのね?
あのイギリス人のことが」ついにアンナはそう言った。その声には
サラを思いやり心配する気持ちが感じられた。
「ええ、とても」
アンナは目を閉じてまるで何かを熱心に祈るかのように頭を下げた。
それからサラの両手を強く握り締めておやすみなさいとそっと告げた。
朝になってもジェイコブの具合はよくならなかった。アンナは彼を
暖かい衣類でくるんでやるとイサクとともにジェシーへと向かった。
町に着きイサクがバス発着所までの長い道のりにいよいよ出かけると、
アンナは子どもを診てもらうためコズウェー医師の所へ向かった。
彼はジェイコブの症状を診るなりここ数日流行っている流感だと
素っ気なく伝えると、もう帰ってもいいですよと言った。
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